2019年春、地区N700kレース総合優勝

 

(一般社団法人 日本鳩レース協会:レース鳩誌 2019年7月号掲載記事)

 

 

 日本における鳩レースは、優勝を目指すだけのスポーツから子供たちに命の大切さを伝るツールになりつつあります。日本鳩レース協会も小学校に鳩舎を提供し、種鳩、レース鳩の飼育を指導していく考えです。

 

 

 鳩の一生は、種鳩が配合されて10日目に2個の卵を産み、18日目には孵化し、仔鳩の誕生です。雛が孵化するにあたって、親鳩と仔鳩は卵のカラを内側からと外側からつついて出てきます。その瞬間を啐啄同時といい、親と子が力を合わせなければ仔鳩の誕生はありません。孵化から25日すると仔鳩は親鳩から分離され、巣立ちを迎えます。その日から水と餌は自分でつつかなければ成長がありません。そして、生後45日目には鳩舎から大空へ羽ばたきます。この時に外敵の猛禽類から襲われ命をなくすことや、ケガをして帰ってくることもあります。その鳩を治療し回復を補助することも必要です。

 

 

 しかしながら、命を落とす鳩や翼を傷めて飛べなくなる若鳩もいます。そして、生後90日目には10k20k離れたところから放鳩され、自鳩舎へ戻る訓練を開始します。生まれて6ヶ月後の9月頃には100kから300k程度のレースに参加し、翌年の4月頃には500kから700k、福岡で言うならば京都から500k、石川県からは700kを当日に帰ってくるような鳩に成長します。鳩の一生は12年から15年といわれています。産卵からレースに参加するまでに、わずか6ヶ月で一人前のレース鳩になります。人で言うならば成人式を迎えた成人ではないでしょうか。

 

 

 この鳩の飼育を通して、命の大切さを学んでいただけるような鳩レースを私たちは目指しています。2019年、金沢から放された475羽が700kの距離を分速1,261m、時速75kで午前6時に放して15時30分には18MA04199BCW(オス)ミッシェル号が帰還し、西九州地区N700kレースで総合優勝を遂げました。来年2020年春は山形県遊佐からの1,100kレースからの帰還を目指し、日々訓練しています。

 

                             中野 龍之